大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)1657 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人本人の上告趣意について。

論旨は、A事務官から供述を強要されたと主張しているが、そのような供述は原

判決において証拠として採用していないところである。論旨はまた民族的差別待遇

の裁判を受けたと主張しているがそのような証跡は記録の上に認めることができな

い。それ故右の二つの主張はいずれも理由がない。その余の論旨は単なる訴訟法違

反、事実誤認又は量刑不当の主張に帰し適法な上告理由とならない。

弁護人今野義礼の上告趣意第一点について。

論旨は原判決が被告人を第一審相被告人Bよりも重く処罰したのは、被告人が朝

鮮人であるが故に人種的差別をしたものであつて、憲法一四条一項に違反すると主

張する。しかし犯情の差異により共犯者の一人を他の被告人より重く処罰したから

とて、憲法一四条の趣旨に反するものでないことは、当裁判所の判例の示すとおり

であり(昭和二三年(れ)四三五号同年一〇月六日大法廷判決)、また記録を調べ

てみても被告人が朝鮮人なるが故に差別待遇したものと認められる事実は見出され

ないこと、上にも述べたとおりである。それ故論旨は採用することができない。

同第二点について。

論旨は単なる訴訟法違反、事実誤認又は量刑不当の主張であつて、適法な上告理

由とならない。

なお記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和三〇年一月一一日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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